高天井の最大の魅力は、「開放感のある室内を実現できる」という点です。たとえば、「1階リビングを開放感のあるつくりにしたいけれど、それほど広いスペースは確保できない」という場合、高天井を採用するのがおすすめ。床面積が少なくても、高天井にして縦にスペースを取ることで空間が広く感じられます。
また、高天井にすれば、壁上部に窓を設置することも可能。部屋全体の採光がとりやすくなるため、明るく開放感のある空間を実現しやすいでしょう。
こちらは、自然豊かな土地に建てられた平屋住宅です。「広いリビングがほしい」という施主の希望に沿い、高天井を提案。「周囲の美しい木立との融合を図る」というコンセプトのもと、外環境と調和するデザインを採用しています。
高天井のLDKにある柱は、樹をイメージ。力強い美しさのある梁・垂木は、枝をイメージしているそうです。
片流れ屋根によって生まれる屋根の勾配が、高天井を実現しています。
LDKはホワイトのクロスにブラウンでまとめており、無垢材などの木をふんだんに使用。また、アイランドキッチン型のカウンターを採用することで、あえてキッチンとリビングの境界をなくしているのも特徴です。
リビングダイニングから続く主寝室。天井に段差を設けており、空間に変化をもたせています。寝室は天井が低めの方がリラックスしやすいため、安眠を確保できそうです。
また、天井に天窓を設置していることにも注目。朝には天窓から陽がたっぷりと降り注ぎ、気持ち良い目覚めを迎えられるでしょう。
リビングには高窓を設置して、明るくくつろげる空間に。無垢材の床があたたかみのある雰囲気をプラスしています。
また、LDKはウッドデッキとつながっており、より広々とした空間を実現しています。
ダイニング部分は吹き抜けになっており、建物上部に設置した高窓から光が降り注ぎます。
また、ステンレスが美しいキッチンも魅力的。優しい風合いの無垢床との相性もバッチリです。
ダイニングの吹き抜け上部には、ロフトがあります。広いスペースではないものの、一人時間を楽しむのにちょうど良い空間です。
お気に入りのラグやクッションを用意して、読書に没頭したりお昼寝をしたり。コンセントも設置されているため、パソコン作業やスマホの充電もできて便利です。
高天井とは、「1階部分にある、通常よりも高い天井」のこと。一般的な天井は2.4~2.7m程度といわれていますが、ほとんどの高天井では3m以上を確保します。一戸建て住宅の2階部分の半分ぐらいの高さに天井をつくるイメージです。
なお、高天井と似ているものに、吹き抜けがあります。吹き抜けも高天井も「縦に空間を広く取り、開放感を実現する」という点は同じですが、吹き抜けは2つ以上の階層をひとつにつなげた間取りのこと。1階の天井を高くする高天井は、平屋住宅などでも採用することが可能です。
高天井を採用することで、開放感ある空間にできます。たとえば、「狭小地で床面積が十分にとれない」「間取りの関係上、リビングの広さが希望よりも狭くなってしまう」という方は、高天井にすることを検討してみましょう。
また、高天井には、自然光を室内にとり入れやすいというメリットもあります。天井を通常よりも高くしている分、高い位置に窓を設置できるため、「窓を多く設置して室内に光を取り込みたい」という方におすすめです。さらに、「隣家との距離が近いため、窓の配置に困る」という場合でも、高天井を採用すれば高い位置に窓を配置できます。
そのほかに、高天井は「インテリアをダーク系の色合いでまとめたい」という方にもおすすめできます。ダーク系カラーは圧迫感が生まれがちなため、開放感ある高天井にすることでバランスをとると良いでしょう。
高天井のデメリットとして、「設計時に通常よりも費用がかかる」点と「冷暖房効率が悪くなりがち」という点が挙げられます。
まず、高天井を採用するにあたって、通常の天井高にするよりも建築コストが高くなりがちです。天井を高くする分、材料費が嵩むうえ、高所での作業のための労務費もかかります。
また、冷暖房効率にも注意が必要。天井を高くしていることで空間の体積が増えるため、冷暖房の効きが悪くなる可能性があります。冷暖房効率の対策としては、「シーリングファンなどで空気が留まらないようにする」「高断熱・高気密の性能を採用する」といった方法が挙げられます。
高天井のある自然素材の家を建てる際は、建築コストや冷暖房効率について注意しましょう。
高天井といっても、ただ闇雲に天井を高くすれば良いというわけではありません。具体的な用途やゾーニングについて考え、必要な部分にだけ高天井を採用するのがおすすめです。無駄のない設計にすることで、余計な建築コストを抑えられます。
また、断熱性や気密性を高めた家づくりも大切。高天井の空間は冷暖房の損失が大きくなりやすいため、高断熱・高気密の家づくりを行いましょう。
高天井の空間は、限られたスペースでも開放感を実現できます。狭小住宅や平屋住宅でも採用できるため、「開放感のある部屋でくつろぎたい」と考えている方はぜひ高天井を検討してみましょう。
ただし、建築コストや冷暖房効率には要注意。高天井にする目的や住み始めてからの維持コストを考え、後悔のないように設計しましょう。
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