縁側(えんがわ)は、日本の伝統的な家屋に見られる建築様式のひとつで、室内と屋外を緩やかにつなぐ空間です。
春には庭の桜を眺めながらお茶を飲み、夏には風鈴の音を聞きながら夕涼みを楽しむ。秋には虫の音に耳を澄ませ、冬には差し込む日差しで暖をとる。こうした四季折々の風景を五感で感じることができるのは、縁側がある暮らしならではの贅沢です。
二世帯住宅の建て替え事例。1階部分には邸宅をぐるりと囲んだ縁側デッキが設けられ、景観とマッチする木の支柱と漆喰仕上げの外壁が和モダンテイストで建てられています。室内は、旧宅の建具や大黒柱、欄間などを活かし、新しい素材と古い素材を組み合わせた空間づくりとなっており、自然素材とマッチした温もりを感じる住宅になっています。
夜になると照明と建材の光と影のコントラストがおしゃれな雰囲気を一層引き立てています。
手入れされた植栽は旧宅の時からのまま活かし、縁側に座って団らんする際にも緑が視界に入る涼しげな景観となっています。
天井には意図的に節がある材を使用し、旧宅から引き継いだ大黒柱や建具とマッチ。自然素材を感じる玄関は、広々としてゆったりとした空間に。
会社名 | 株式会社相川スリーエフ(ワンズライフホーム) |
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所在地 | 東京都世田谷区成城3-21-8 |
電話番号 | 03-6324-3733 |
自然との調和を重視し、暮らしの中で自然の美しさや豊かさ、快適さを日々感じられる家を目指した設計の平屋住宅です。自然要素を住まいに取り込みながら、デザインと居心地の両立を図ったL字型の設計になっていて、採光と開放感の演出が絶妙なバランスで取り入れられています。
南側は軒を深く設け、木漏れ日のような暖かな光を取り入れる設計。縁側に面した大開口窓が開放的な住まいとなっています。
LDKは縁側とフラットにつながり、広がりある空間。配置次第で2つの庭それぞれの景色を同時に楽しむこともできる設計。
外観はコンクリートと黒い壁を用いた重厚な印象で、グレートーンの外壁に木製のルーバーや庇(ひさし)をアクセントに用いています。
会社名 | FREEDOM株式会社(フリーダムアーキテクツ) |
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所在地 | 東京都中央区日本橋富沢町11-12 サンライズビル 8F |
電話番号 | 03-5651-1791 |
縁側のある家は、木造平屋建てや和風二階建て住宅に多く見られ、縁側は柱や軒に守られた半屋外のような空間です。ガラス戸や障子、雨戸を開ければ自然の光や風が心地よく入り、庭との一体感を楽しむことができます。縁側の床は室内とほぼ同じ高さで、外との段差をなくすよう工夫されていることも多く、人が腰をかけて休んだり、季節を感じながら過ごすのに適した場所となっています。
現代風にアレンジされた「縁側風のウッドデッキ」や「インナーテラス」などの形で取り入れられるケースも増えています。
縁側のある家の最大の魅力は、内と外をゆるやかにつなぐ空間がもたらす心地よさにあります。縁側に腰を下ろせば、庭の緑や風、光を身近に感じられ、室内にいながら自然との一体感を味わうことができます。四季の移ろいを肌で感じることができるため、春には花の香り、夏には風鈴の音、秋には紅葉、冬には柔らかな陽光とともに過ごす穏やかな時間が、暮らしに彩りを添えてくれます。
また、縁側は人との交流を自然に生む場でもあります。かつてはご近所さんがふらりと立ち寄って世間話をしたり、家族が一緒にくつろいだりと、人と人をつなぐ開かれた場所として機能していました。現代においても、来客を迎えたり、子どもが遊んだり、高齢の方が日向ぼっこを楽しんだりと、生活にゆとりや温もりをもたらす役割を果たしてくれます。
縁側のある家は、単なる懐かしさを感じさせるだけでなく、日々の生活に癒しや交流、季節の豊かさをもたらしてくれる、現代にこそ見直したい住空間なのです。
防犯面においては注意が必要です。縁側にはガラス戸や引き戸が使われることが多く、屋外からの視線や侵入のリスクを伴いやすいため、防犯対策を十分に施す必要があります。特に都市部や通行量の多い立地では、プライバシーの確保と安全性の両立が課題となる場合があります。
縁側は屋外に近い性質を持つため、雨風や湿気、気温の影響を受けやすく、メンテナンスの手間がかかる点も挙げられます。木材が使われている場合は特に、定期的な塗装や防腐処理が欠かせず、長く美しい状態を保つには一定の維持管理が求められます。加えて、虫やホコリが入り込みやすくなることもあり、掃除や防虫対策にも気を配らなければなりません。
縁側がもたらす「開放性」は、熱効率の観点から見ると暖房の効率が落ちやすくなるなど、省エネ性能の部分でマイナスになることもあります。縁側のある家は心地よさや風情を与えてくれる一方で、防犯性、維持管理、気密性といった点に配慮が必要です。
縁側のある家を建てる際は、デザイン・利便性・性能が綿密に計算された設計力のある工務店に依頼することが重要です。
縁側は外部とつながる開放的な空間である一方、通行人や隣家からの視線が気になったり、不審者の侵入経路になりかねない側面があります。そのため、縁側の位置や向きは慎重に設計する必要があります。
また、縁側があると空気の出入りが生まれやすく、冷暖房の効率が落ちる可能性があります。断熱性の高い建具や二重サッシを採用する、縁側と居室の間に間仕切りを設けるといった工夫で、熱の出入りを抑えながら快適性を維持するなど、設備と設計面で対策することで住みやすい縁側のある家が建てられます。
縁側には無垢材や木の風合い、軒の深さ、屋根との取り合いなど、日本の伝統建築ならではの要素が多く含まれます。そのため、和風建築の実績が豊富な工務店や、木の扱いに長けた職人が在籍しているかどうかは、大きな判断基準となります。
縁側のある家づくりを成功させるためには、技術力だけでなく、提案力、柔軟性、そして人間的な信頼感を備えた工務店選びが鍵になります。住まいの価値を時間とともに深めていける、そんな家づくりを一緒に楽しめる相手を見つけることが大切です。
このメディアでは、東京都で自然素材の家を建てられる工務店・ハウスメーカーを紹介しています。どういった家を建てたいのかといったこだわりから選べるおすすめの3社を掲載しているので、ぜひ自分たちの理想のお家を建てる参考にしてください。
新しく自然素材の家を建てるなら、省エネ基準に適合した暮らしやすい家が良いですよね。そこで、一定の住宅性能(ZEHレベル(※)・耐震等級3)を持ちつつ、自然素材を使った家を建てられる会社に着目。
一定の住宅性能を担保したうえで“もっとも優先したいこと”を形にでき、家族との健やかな暮らしを叶えるおすすめの工務店・ハウスメーカーを3社紹介します。
※このメディアでは、エアコンや床暖房などの電気使用量を抑えられる気密性と断熱性を兼ね備えた家を「ZEHレベル」の家と定義しています。