漆喰は、耐熱性や耐久性のある消石灰が主成分となっており、化学物質を含まない体にやさしい素材であることがポイント。シックハウス症候群の予防に効果が期待できます。また、調湿作用もあるので、湿気対策としても有効。壁材として使えば、ビニールクロスよりも厚みがでるため、防音対策にも繋がります。
外壁をシンプルに漆喰で仕上げた和モダンなデザインの邸宅。塗装面積が広いため、ムラがでないよう熟練職人の手仕事によって仕上げられたそう。中はフロアで仕切った二世帯住宅となっており、住む人の好みに合わせて違ったデザインが楽しめるよう工夫されています。

夕闇に浮かび上がる、美しい漆喰壁と特徴的なシルエットが印象的な邸宅。

1階は旧宅から持ってきた建具をそのまま使い、和風なデザインで統一。

2階はガラリとイメージが変わり都会的なデザインに。珪藻土の白壁はお気に入りのアートがよく映えます。
木の香りをたっぷりと楽しめそうな自然素材の家です。壁材に漆喰が使われており、母胎をイメージしてほんのりピンクがかった色味となっています。柔らかみのある無垢材と相まって、ゆったりと寛げる空間が広がっています。子どもたちも安心してのびのびと遊んだり、勉強したりできそうです。

2階の子供部屋。床や天井、壁に自然素材を取り入れて温かみのある空間を実現。

建具だけでなくテーブルや棚、さらには子どものおもちゃまで木製のものを使用。

キッチンとダイニング、リビングがひと繋ぎとなった空間。家事をしながら子どもたちと一緒に過ごせます。
東京・葛飾エリアに佇むこちらの住宅は、街並みに合わせて町屋風のデザインが取り入れられています。中廊下が奥まで続く住居内には、紀州杉をたっぷりと使用。壁材にも漆喰が取り入れられています。リビングとダイニングキッチン、和室が一つの空間でつながっており、家族との一体感が感じられる住まいです。

ガルバニウム鋼板の外壁に、アクセントとして軒天に杉材を取り入れたお洒落な外観。

杉材と漆喰壁で仕上げたLDK。居心地の良い空間が広がっています。

広々としたロフトスペース。これだけあれば収納場所にも困らなさそうです。
漆喰の家とは、壁材として漆喰を使用した住宅を指します。漆喰は日本の伝統的な建材の一つで、古くから城郭や蔵、民家などに使われてきました。現代では、漆喰の優れた機能性やデザイン性が見直され、住環境に優しい家づくりに採用されることが増えています。以下では、漆喰の特徴や漆喰の家が持つ魅力について詳しく解説します。
漆喰は、**消石灰(石灰石を焼いて水を加えたもの)**を主成分とし、水や砂、糊(海藻や麻の繊維など)を混ぜて作られる自然素材の壁材です。合成化学物質を使用しないため、環境や人に優しい建材として評価されています。以下は、漆喰の主な特徴です。
漆喰は湿気を吸ったり放出したりする性質があり、室内の湿度を適度に調整します。これにより、結露の防止やカビの発生抑制に役立ちます。
漆喰に含まれるアルカリ性成分には、抗菌作用があり、室内の空気を清浄に保つ効果があります。また、嫌な匂いを吸着するため、臭気対策にも有効です。
漆喰は硬化することで非常に強固な素材となり、適切に施工された場合、数十年から100年以上にわたり美しさを保つことが可能です。
漆喰は不燃材であり、火災時に有毒ガスを発生しないため、安心して使用できます。
漆喰の家は、自然素材の魅力を活かしながら健康的で快適な住環境を提供します。その耐久性やデザインの自由度、調湿性などの特徴が多くの人に支持されており、現代の住宅でもその価値が再認識されています。健康や環境に配慮した住まいを求める方にとって、漆喰の家は理想的な選択肢となるでしょう。
漆喰の家は化学物質を使用しないため、シックハウス症候群のリスクが低く、アレルギーや喘息を持つ人にとっても安心できる住まいです。また、調湿性が高いため、快適な湿度環境が保たれ、四季の変化に柔軟に対応します。
漆喰の仕上がりは、滑らかで美しい白壁が基本ですが、塗り方や色味を工夫することで、和風からモダン、さらにはカラフルな洋風デザインまで多様なスタイルに対応できます。また、木材や石材との相性が良く、自然素材を活かしたインテリアデザインにも最適です。
漆喰は硬化すると非常に強固になり、ひび割れや劣化が少なく長期間使用できます。日本の伝統的な蔵や城郭の壁が今も残っていることからも、その耐久性の高さが証明されています。
湿度の高い梅雨や乾燥する冬でも、漆喰の調湿性が室内環境を快適に保ちます。また、漆喰が持つ抗菌性は、カビや細菌の繁殖を抑える効果があり、清潔な空間を実現します。
漆喰は多くのメリットがある一方で、使用する際のデメリットや注意点もあります。これらをあらかじめ理解することで、漆喰の性能を最大限に活かしつつ、後悔しない選択ができるようになります。以下では、漆喰の主なデメリットや課題、そしてそれに対処する方法について詳しく解説します。
漆喰は自然素材であり、耐久性や調湿性などの高性能が特徴ですが、その分施工費用が高いのが難点です。1㎡あたりの施工費は5,000~8,000円程度で、ビニールクロス(1,000~2,000円/㎡)や一般的な塗料と比較してコストが大幅に上回ります。特に、広範囲に施工する場合、総コストが大きくなる可能性があります。
対策方法:
漆喰は高い技術を要する素材であり、仕上がりの美しさや耐久性は職人の技術に大きく依存します。特に、ムラのない仕上がりやひび割れの防止には、熟練した技術が欠かせません。そのため、職人の手配が難しい地域や、施工費用が高くなる場合があります。
対策方法:
漆喰は硬化後に多少の伸縮性がありますが、大きな地震や急激な温度変化がある場合、ひび割れが発生することがあります。特に、下地の準備が不十分な場合や、外壁に強い衝撃が加わった場合には、このリスクが高まります。
対策方法:
漆喰は基本的に白い仕上がりが標準ですが、着色する場合には特殊な技術や素材が必要です。また、ビニールクロスやタイルに比べて多彩な模様や鮮やかな色味のバリエーションが少ないことがあります。
対策方法:
漆喰は吸湿性が高い一方で、防水性は低いため、外壁として使用する場合には雨水の侵入に注意が必要です。長期間にわたって雨にさらされると、表面が劣化するリスクがあります。
対策方法:
漆喰のデメリットを理解したうえで選択するためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
家全体ではなく、特に湿気が気になる場所やリビングなど、効果を感じやすい部分に漆喰を取り入れることで効率的にその魅力を活かせます。
熟練した職人が施工することで、ひび割れや仕上がりのムラを防ぐことができます。事前に施工事例を確認し、信頼できる業者に依頼しましょう。
定期的な清掃や簡単な補修で、漆喰の美しさを長く保つことが可能です。外壁の場合は防水対策を重視します。
漆喰の家を検討するユーザーにとって、施工費用は重要な関心事です。漆喰は高品質な自然素材として評価されていますが、一般的なビニールクロスや他の壁材に比べてコストが高い傾向があります。以下では、施工コストの目安や他素材との比較、コストを抑える方法について解説します。
漆喰を使用した住宅の施工費用は、以下のように計算されます:
一般的なビニールクロス(1㎡あたり1,000~2,000円程度)に比べて高価ですが、調湿性や耐久性、デザイン性など付加価値が高いのが特徴です。
高額になる理由は、外壁では耐久性や防水性がより求められ、丁寧な下地処理が必要だからです。
例えば、延床面積30坪(約100㎡)の家で内壁全体を漆喰にする場合、50~80万円程度の費用がかかります。外壁全体を漆喰で仕上げる場合、70~120万円程度が目安となります。
以下の表では、漆喰を含むさまざまな壁材について、施工費用や特徴を比較しています。
| 素材 | 施工費用(内壁1㎡あたり) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ビニールクロス | 1,000~2,000円 | 低コスト、多彩なデザイン | 耐久性が低く、調湿作用なし |
| 珪藻土 | 3,000~5,000円 | 調湿性があり、DIYも可能 | 強度が低く、汚れが目立ちやすい |
| タイル | 6,000~15,000円 | 耐久性が高く、デザイン性が豊富 | 高額で施工が難しい |
| 漆喰 | 5,000~8,000円 | 調湿性、耐久性、自然素材で健康に優しい | 高額で熟練職人が必要 |
漆喰はビニールクロスよりも高価ですが、珪藻土やタイルと同様に調湿作用やデザイン性の面で魅力的です。特に、長期間の使用や自然素材にこだわる場合、コストパフォーマンスが良い選択肢となることが多いです。
漆喰の施工費用を抑えるためには、以下のポイントを検討してください。
家全体を漆喰で仕上げるのではなく、リビングや寝室など特定の部屋や壁に使用することでコストを調整できます。特に、湿気や匂いが気になる場所に集中して使用すると効果的です。
漆喰はプロの施工が一般的ですが、初心者向けの漆喰製品も市販されています。DIYで部分的に塗ることで、施工費用を大幅に削減可能です。ただし、技術的な難しさや仕上がりの差に注意が必要です。
地域の職人を選ぶことで、輸送コストや中間業者の手数料を削減できます。また、地元での漆喰施工事例を確認することで信頼性も高まります。
初期費用は高めでも、漆喰の耐久性やメンテナンス性を考えると、長期的には経済的です。ビニールクロスのように頻繁に張り替える必要がなく、数十年にわたり美しい状態を保つことができます。また、調湿作用によりカビや結露を防ぎ、住宅全体のメンテナンスコスト削減にも寄与します。
漆喰は耐久性に優れた自然素材として知られており、長期間にわたって美しい状態を保つことができる壁材です。しかし、その特性を十分に引き出すためには、適切なメンテナンス方法や注意点を理解しておくことが重要です。ここでは、漆喰の耐久性の特徴や必要なメンテナンスについて詳しく解説します。
漆喰は適切に施工されれば、50年以上使用できるほどの耐久性を持っています。この長寿命を可能にしているのは、漆喰の以下の特性です。
漆喰は水を吸湿・放湿する性質があり、湿度の変化にも強いのが特徴です。これにより、湿気やカビが原因での劣化が起きにくく、外壁や内壁に適しています。
消石灰を主成分とする漆喰は耐火性が高く、火災時の被害を抑えることができます。また、紫外線による色褪せや熱による変形もほとんどありません。
漆喰に含まれるアルカリ成分が、菌やカビの発生を抑え、壁の清潔さを長期間保つのに役立っています。
漆喰は硬化後も多少の伸縮性があり、通常の温度変化や建物の動きにある程度対応できます。しかし、大規模な地震や強い衝撃にはひび割れが生じることがあります。
漆喰は非常に耐久性が高い素材ですが、以下のような原因で劣化することがあります。
外壁で漆喰が長期間水にさらされると、表面が浸食されて白華現象(表面が白くなる現象)が起こる場合があります。これを防ぐには、軒や防水対策を適切に施すことが必要です。
地震や家具の移動など、物理的な衝撃でひび割れが生じることがあります。これは建物の構造や地盤の状態にも影響されます。
下地の準備不足や乾燥時間の不足があると、漆喰の本来の耐久性を発揮できません。熟練職人による施工が推奨される理由です。
漆喰は基本的に低メンテナンスな素材ですが、長期間美しい状態を保つために以下のケアが推奨されます。
漆喰壁は埃や汚れを吸着しにくい特性がありますが、表面に溜まった埃を柔らかい布やブラシで取り除くことで美しさを保てます。汚れが目立つ場合は、水に中性洗剤を少量加えたもので拭き取ると効果的です。
小さなひび割れは市販の漆喰補修材で簡単に補修できますが、大きなひび割れや広範囲の修復が必要な場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
外壁で白華現象が発生した場合は、ブラシで表面を掃除し、その後専用の中和剤を使用することで修復できます。防水性を高めるために仕上げ材を塗布するのも有効です。
内壁の場合、塗り直しの目安は15~20年程度とされています。外壁の場合は気候条件によりますが、30年以上持つことも珍しくありません。劣化が目立つ場合に塗り直しを検討しましょう。
漆喰の耐久性をさらに向上させるためには、以下のポイントを考慮することが重要です。
外壁の漆喰を雨水から守るために、軒や庇を設置することが推奨されます。これにより、雨水が直接壁にかかるのを防ぎます。
漆喰の調湿性を活かすために、通気性の高い下地材を使用することが重要です。密閉性の高い下地は、湿気が溜まりやすく劣化の原因になります。
熟練職人による施工は、漆喰の美しさと耐久性を最大限に引き出します。また、施工後の定期点検を依頼することで、早期に劣化を発見し修復することが可能です。
漆喰は壁材に使われることが多い素材ですが、どのようなデザインにも合わせやすいのが特徴。外壁と内壁のどちらにも使用できます。オーソドックスに白壁にするのも良いですが、色味を変えてまた違ったデザインを楽しんでみるのも面白いかもしれません。
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新しく自然素材の家を建てるなら、省エネ基準に適合した暮らしやすい家が良いですよね。そこで、一定の住宅性能(ZEHレベル(※)・耐震等級3)を持ちつつ、自然素材を使った家を建てられる会社に着目。
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※このメディアでは、エアコンや床暖房などの電気使用量を抑えられる気密性と断熱性を兼ね備えた家を「ZEHレベル」の家と定義しています。