小上がりの魅力は、空間に奥行きやメリハリをもたせることができる点です。空間づくりにあたって、機能面とデザイン面の双方にメリットをもたらしてくれます。
たとえば、リビングに小上がりを設けた場合、開放感を損なわずに異なる用途のエリアをつくりだすことが可能。また、小上がりが空間のアクセントになり、メリハリのある印象を与えることもできます。
小上がりは、「別室を設けるほどではないけれど、異なる用途の空間をつくりたい」「単調になりがちな大空間にアクセントを加えたい」といった希望のある方におすすめです。
旗竿地に建つこちらの住宅では、「リビングに間仕切りを入れず、細かな空間にしない」というこだわりにより、吹き抜けと小上がりを採用しています。玄関の無垢材をはじめ自然素材を取り入れた住まいの中で、小上がりには畳を敷いており、低めの天井高の落ち着く空間です。リビングから容易にアクセスできるため、「ちょっと横になりたいな」というときにも便利です。

施主の要望に応え、小上がりには畳を設置。掘りごたつ式のスタディカウンターもあります。

開放的なリビングには、壁掛けテレビ用の2段カウンターを造作。カウンターの上には間接的に照らすコーニス照明を採用しています。

昇り降りのしやすさと収納性を両立した30cmの段差を採用。段差部分には引き出しタイプの収納を設け、すっきりと暮らせる空間を実現しています。
こちらの住宅では、LDKに隣接する和室を小上がりにしました。隠れ家のようなくつろげる空間となっており、子どもが安心して遊べる環境です。
また、小上がりの下には収納スペースを設置。小さい子どものおもちゃや衣類を収納することで、すっきりとした空間を維持できます。

段差があっても家族が楽に出入りできるよう、踏み台を設置。踏み台や引き出しのデザインをLDKの床材に合わせているため、デザイン面において悪目立ちしないのがポイント。

吹き抜けによって開放感を確保したダイニング。床材には無垢のパイン材を採用しています。

小上がりの和室の向かいに位置するキッチンです。施主自慢のオリジナルキッチンであり、ステンレスと無垢のパイン材の組み合わせがおしゃれ。料理中でも、子どもが小上がりの和室で遊んでいる様子を見ることができます。
小上がりとは、部屋の一部に一段高く設けた空間のことを指します。小上がりといえばリビングの一角に設けたスペースをイメージしやすいものの、寝室や子ども部屋、階段下などに小上がりを設けている事例もあります。
小上がりの床は任意に選択でき、フローリングにするケースもあれば、畳にするケースも。畳を敷く場合は小上がりを「畳コーナー」と呼ぶこともあります。
なお、小上がりに明確な定義はないため、何cm以上の段差といった決まりはありません。一般的には、20cm~40cmほどの段差を設けているケースが多く、好みや用途に応じて決めることができます。
小上がりを設けるメリットは、「空間にメリハリをつけられる」「多目的な使い方ができる」「収納スペースを確保できる」といった点にあります。
たとえば、広いリビングの一角に小上がりを設ければ、壁や間仕切りを使わずに空間を区切ることができます。なお、「必要に応じて小上がりをプライベートな空間にしたい」という場合は、引き戸を設置するのがおすすめです。
また、小上がりの使い方は自由。くつろいだり、家事をしたり、遊び場スペースにしたり、臨時の客間にしたりと多用途性に優れています。
さらに、小上がりの下部分に引き出しや跳ね上げ式などの収納を設ければ、デッドスペースになりがちな空間をフルに活用可能。子どものおもちゃや季節によって使わなくなるものなど、さまざまな物をたっぷりと収納できることで、すっきりとした空間を維持できるでしょう。
小上がりについて検討する際は、「段差によるつまずき」や「模様替えへの制限」、「掃除の手間」などに注意が必要です。
小上がりは20cm以上の段差をつくって設けることが一般的なため、子どもや高齢者が段差でつまずく可能性があります。将来的に小上がりが生活の妨げとなるリスクもあるため、慎重に検討しましょう。
また、小上がりは設置後に移動できないことから、模様替えの際に不便に感じる可能性もあります。さらに、小上がりの段差をロボット掃除機が越えられないため、他のスペースとは別で掃除をしなければならないというデメリットもあります。
そのため、「フラットな空間にしてバリアフリー化したい」「可変性のあるスペースにしたい」「掃除の手間をできるだけ減らしたい」と考えている人にとっては、小上がりを設けない方が良いケースもあります。
東京での家づくりは敷地が限られやすく、いかに空間を有効活用するかが鍵となります。このような環境で活躍するのが「小上がり」という間取りです。壁で仕切らずに別の用途を持ったスペースを生み出せるため、LDKの開放感を保ったまま空間にメリハリをつけることができます。段差部分を収納にすれば、都市部の住宅で悩みがちな収納不足も解消できるでしょう。
小上がりを設ける際、LDKの床と同じ無垢材で造作したり、肌触りの良い畳を取り入れたりすることで、空間全体に美しい統一感が生まれます。限られた面積の中でも、小上がりの機能性と自然素材の温もりが調和し、日々の暮らしに心地よいゆとりをもたらしてくれます。
無垢材や漆喰などの自然素材に囲まれた家は、それだけで大きな安らぎを与えてくれます。そこに小上がりを取り入れることで空間にメリハリと機能性が生まれ、日々の暮らしはさらに豊かになるでしょう。
ただし、段差によるデメリットも考慮が必要です。将来のライフスタイルも見据え、長期的な視点で計画を立てることが大切です。
新しく自然素材の家を建てるなら、省エネ基準に適合した暮らしやすい家が良いですよね。そこで、一定の住宅性能(ZEHレベル(※)・耐震等級3)を持ちつつ、自然素材を使った家を建てられる会社に着目。
一定の住宅性能を担保したうえで“もっとも優先したいこと”を形にでき、家族との健やかな暮らしを叶えるおすすめの工務店・ハウスメーカーを3社紹介します。
※このメディアでは、エアコンや床暖房などの電気使用量を抑えられる気密性と断熱性を兼ね備えた家を「ZEHレベル」の家と定義しています。